舗装技術の質疑応答第7巻


舗装技術の質疑応答 第7巻

森永教夫監 川野敏行編
(上)A5判 230ページ 定価 3,740円(10%税込)
(下)A5判 242ページ 定価 3,850円(10%税込)
(1997年発行)


まえがきから

本書は,既刊の第6巻までに引き続き,平成3年の12月号から平成8年12月号までの 雑誌「舗装」の質疑応答欄を集大成したものである.
質疑応答欄は,第一線で働く舗装技術者の技術相談の場として設けられたものであり, 雑誌「舗装」の読者から寄せられた,日常的な舗装の技術的事項について,同誌の編集委 員が最新の技術をもって応答したものである.
質疑応答の内容は時代を反映し,かつその時どきの技術的な要請に応えうる解答を網羅 するものとなっている.
特に本書は,近年社会の舗装に対するニーズが多様化している時代にあって,平成4年 の「アスファルト舗装要綱」の改訂を受けた質問にも解答している.
また近年,
@ 交通安全に資する舗装
A 交通渋滞に資する舗装
B 地域環境に優しい舗装
C 沿道環境に資する舗装
D 建設費の縮減に伴う施工の合理化
等が強く求められている.これらのニーズに応えるべく,排水性舗装,長寿命化舗装,わ だち掘れに強い舗装,景観舗装,施工の自動化および合理化に関する質疑応答が多くなっ ている.
特に,最近最も注目を集めている排水性舗装に関する質問が非常に多かったので,これ は独立して区分した.
また,本書既刊の6巻と比較してみると,転圧コンクリート舗装に関する質問も多くな っているなど,本書によって舗装現場でいま何が問題になっており,何が重要視されてい るかなど,最近の舗装技術の傾向も伺い知ることができる.
本書はページ数が非常に多かったので,上・下の2巻に分割させていただいた.
最後に,本書の原文の執筆にあたられた雑誌「舗装」の編集委員の方々,およびその関 係者,ならびの技術資料等をご提供いただいた方々とその機関に対して厚くお礼を申し上 げる次第である.

平成9年11月  編者 川野 敏行 


詳細目次

1章 構造設計(上巻)
  • CBR法からTA法へ
  • 高規格道路の設計上の問題
  • 簡易舗装における設計CBRの考え方
  • 新材料の等値換算係数
  • 設計交通量の推定
  • スポーツ施設の舗装設計
2章 材  料(上巻)
  • 改質アスファルトの今後の動向
  • 超重交通道路用高品質アスファルトの性質
  • 高粘度改質アスファルトの性状
  • 耐流動用改質アスファルト
  • 改質アスファルトU型の実態
  • 改質アスファルトの劣化
  • アスファルトの劣化
  • コンポジット舗装のタックコート
3章 アスファルト舗装(上巻)
  • 高速道路の表層混合物・タイプT
  • 大粒径アスファルト混合物の性状
  • アスファルト混合物に悪影響を及ぼす要因
  • 締固め度が流動わだち掘れに及ぼす影響
  • アスファルト舗装の温度変化による膨張収縮
  • 高速道路におけるわだち掘れ対策
  • 日本道路公団の舗装の流動対策
  • 首都高速道路公団の舗装の流動対策
  • スプリットマスチックアスファルトとは
  • 型枠なしで舗装のできるアスファルトフィニッシャ
  • 常温混合式工法の現況
4章 セメントコンクリート舗装(上巻)
  • スリップフォームペーバによるコンクリート舗装
  • セメントコンクリート舗装の耐熱性
  • セメントコンクリート舗装の骨材露出工法
  • セメントコンクリート舗装の表面仕上げ工法
  • セメントコンクリートによる薄層オーバーレイ
  • コンポジット舗装の現況
  • 連続鉄筋コンクリート舗装の膨張目地
  • 転圧コンクリート舗装のD交通道路への適用
  • 転圧コンクリート舗装の表面処理の効果
  • 転圧コンクリート舗装の供用性
5章 路床・路盤(上巻)
  • 新しい軟弱地盤対策工法
  • 上層路盤への粗粒度アスファルト混合物の適用
  • 路床安定処理工法における添加材の選択
  • 路床安定処理工法の凍上抑制層としての効果
6章 維持修繕(上巻)
  • 舗装のライフサイクル
  • ライフサイクルを考慮した補修工法
  • 舗装のライフサイクルコストに与える影響因子
  • 東京都のPMS
  • 修繕工事における強制冷却工法の効果
  • 構造物取付け部の段差の修正方法
  • 縦断ひびわれの原因
  • マイクロサーフェシング
  • リフレクションクラックの抑制工法
  • ジオテキスタイルのリフレクションクラック抑制効果
7章 再生舗装(上巻)
  • 再生舗装工法の現状
  • 冬季での再生混合物の施工
  • 路上再生路盤工法の供用状況
  • 再生改質アスファルトの重交通道路への適用
  • 改質アスファルトを用いた混合物の再生
  • 他産業の廃棄物の道路舗装への適用
  • 再生骨材の生産方法とその品質
8章 特殊舗装(上巻)
  • グースアスファルト舗装の施工方法
  • 急勾配におけるグスアスファルトの施工
  • グースアスファルト舗装のブリスタリング
  • 半たわみ性舗装の品質基準
  • 超速硬セメントを用いた半たわみ性舗装の養生時間
  • 半たわみ性舗装によるコンポジット舗装工法
  • 熱硬化性アスファルト混合物の可使時間
  • 高速道路でのグルービング工法
  • 路面の凍結抑制
9章 排水性舗装(下巻)
  • 排水性舗装に関する基準
  • 排水性舗装の設計と施工
  • 橋面での排水性舗装
  • 排水性舗装混合物の配合設計方法
  • 排水性舗装用混合物の最大粒径
  • 排水性舗装の締固め方法
  • 排水性舗装の自動車騒音低減効果
  • 排水性舗装の騒音低減メカニズムとその効果
  • 排水性舗装の寒冷地への適用
  • 寒冷地での排水性舗装の適用上の問題点
  • 排水性舗装の凍結抑制対策
  • 排水性舗装の凍結による影響
  • 排水性舗装の長期供用性
  • 排水性舗装の空隙詰まり回復
  • 排水性舗装とわだち掘れ
  • OGFCについて
10章 橋面舗装(下巻)
  • 長スパン橋梁の舗装
  • 橋梁上の耐流動性舗装の問題点
  • 橋面舗装におけるアスファルト混合物のはく離対策
  • コンクリート床版におけるアスファルト舗装のはく離
  • 橋梁の増厚工法◎床版上面増厚工法
  • 埋設ジョイントについて
  • 橋面舗装の目地の設計・施工方法
  • 鋼床版舗装の縦方向の目地
  • シート系防水工のブリスタリング現象
11章 景観舗装(下巻)
  • 車道の景観舗装の現状
  • 歩行者に優しい道路舗装
  • バスレーンのカラー舗装工法の種類
  • 自然色舗装の配合,製造,施工上の留意点
  • 景観舗装の付帯構造物
  • インターロッキングブロック舗装の施工
  • インターロッキングブロック舗装のサンドクッションの働き
  • タイル舗装のはく離
  • 光る舗装
  • 明色骨材の種類と特徴
  • ウッドファイバー舗装
  • 景観舗装へのCGの利用
12章 品質管理・試験(下巻)
  • 抜取り検査における合格判定値
  • 品質管理の効率化
  • 品質管理,保証のためのISO9000
  • 平坦性の測定結果ならびに供用性との関連
  • 電磁波を応用した舗装の厚さの測定
  • レーザを用いた表面キメ深さ測定方法
  • 舗装の非破壊試験方法
  • RIによるアスファルト混合物の締固め管理
  • RIによるアスファルト量の測定
  • 動的安定度の基準値
  • アスファルト抽出試験の今後
  • 薄膜加熱試験と回転式薄膜加熱試験の意義
  • カンタブロ試験方法と影響因子
  • カンタブロ試験の試験温度の影響
  • ホイールトラッキング試験の精度
  • 抜取りコアによるWT試験
13章 その他(下巻)
  • 道路技術五箇年計画の概要
  • 今後の舗装技術への対応
  • SHRP計画の研究成果
  • 長寿命化舗装
  • 第二東名・名神高速道路の舗装
  • 舗装機械のロボット化
  • トンネル内舗装工事の作業環境改善
  • 建設廃棄物をめぐる近年の状況
  • 酸性雨の舗装や付帯構造物への影響
  • 工事関係書類の簡素化
  • 地震による舗装の被害
  • 視覚障害者誘導対策